世界と日本の独楽(コマ)の歴史

世界と日本の独楽(コマ)の歴史

世界の独楽(コマ)の歴史出現から現代の独楽まで・種類と回し方・遊び方

世界最初の独楽の出現は、いまから5500年ほど前(紀元前3500年頃)の素焼きの砲弾形の独楽らしきものと考えられています。砲弾形から進化して現代の独楽の形に近い形—軸と胴体部分から構成される—の独楽が製作されるようになった歴史も古く、およそ4000年前(紀元前2000年頃)に木を削って製作したものに始まるといわれています。

軸部と胴体部で構成される独楽の基本的な構造が定まると、木製の独楽は製作しやすいといった理由もあって、木製独楽は現代にいたるまで伝統的に様々な種類形態のものが製作されてきました。その4000年もの長い歴史の中で、木製の独楽の進化とともに、時代ごとにその当時の新しい材料と加工技術を用いて様々な種類の独楽も生み出されました。

1900年代に入ると金属プレス技術とともに普及した金属製(主にブリキ製)の独楽がヨーロッパに大量に現れ、アジアでは金属の刃物等を使って作製した竹製の工芸品的な独楽などが多種類生まれました。1950年代になるとインジェクションモールド(射出成形)によるプラスチック樹脂製の独楽や金属加工技術の発達により金属製の独楽が大量生産されるようになりました。最近ではNC(Numerical Control)切削加工機を駆使して回転バランスに優れる精密な手回し独楽(ひねりこま)が出現し10分間も回転し続ける独楽の出現にいたっています。

素焼きの独楽: 紀元前3500年(5500年前)ころに素焼きの砲弾形のものが出現しました。回し方は、手で持って直接回す方式でした。粘土を焼く素焼きによる製造法であるため、大きく、重く、形状も一つ一つ微妙に異なっていました。

木製独楽: 紀元前2000年ごろから、古代文明で栄えた古代エジプトや古代ギリシャなど各国で木製の独楽が作られていたといわれています。大きさは、次第に小さくなり、片手で持てる大きさが主流になっていきました。回し方は、独楽の側面を鞭でたたいて回すぶちゴマ式と考えられています。

竹製独楽: 竹の生息するアジア諸国で発達しました。中国の竹製の穴の空いた鳴り独楽(唐独楽)は日本に伝えられました。インドネシアなどにも竹製コマが多種多様に存在しましたが、材料となる熱帯林の減少などにより、次第にプラスチック製に変わっていきました。

合成樹脂製独楽: 20世紀に入ると様々な合成樹脂が開発され、それらの材料を使った独楽が出現しました。20世紀後半になってプラスチック射出成型技術の発達によって材料自体に綺麗な色が表現できるようになりプラスチック製独楽がヨーロッパ、アジア、南北アメリカ等各国で急速に発達しました。回し方は独楽の形態により、紐をかけて回すも、器具を使って回すもの、直接手指で回すものなど、様々です。

金属製独楽: 18世紀頃ヨーロッパでは、凍った池などの上で回す鉄製の独楽があったといわれています。20世紀に入るとブリキに模様や図柄をカラー印刷する技術が開発され、カラフルなブリキ製の独楽が広く普及しました。これも同様に紐でまわすものや手指で回すもの、器具で回すもの、が存在しました。

切削加工金属独楽: 金属を旋盤などの機械で切削加工して製作した精密なひねり独楽が近年になって出現しました。回し方は、手指でひねって回すものと紐掛けで回すものの両方があります。

日本の独楽(こま)の歴史 出現から現代の独楽まで・種類と回し方・遊び方

日本製の独楽の歴史もやはり古く、諸説ありますが、およそ1300年前ごろ中国から長崎に伝わったものに始まるといわれています。以来、各地に伝わり木製の独楽は現代にいたるまで伝統的に全国各地で様々な種類形態のものが製作されています。日本でも、木製の独楽の普及とともに、その時代ごとに新しい材料の特性を活かした様々な形態の独楽が生み出されています。

鋳物による量産技術が進歩・普及すると、形状がシンプルで大量生産向きであることから、ベーゴマが広く普及しました。近代になって日本でもインジェクションモールド(プラスチック射出成形)による大量生産が可能になると安価なプラスチック樹脂製の独楽が広く普及しました。ダイキャスト製造法が普及するとアルミ合金製の独楽やベーゴマが普及しました。

近年の切削加工機による金属切削加工技術の発達により金属製精密独楽も多く出現しており、最近ではNC(Numerical Control)切削加工機を駆使して精密な回転バランスに優れる10分間も回転し続ける手回し独楽(ひねりこま)が出現しました。2017年に入ると、複雑な切削加工が出来るCNC複合切削加工機を使って製作した精密な金属製部品から構成される組み立て式の独楽でカスタマイズやチューニングできるものも出現しました。

木製独楽: 切削加工により製作が容易な木製の独楽が現在も全国で製作されています。手指で回す小さな独楽から紐掛けで回す大型のものまで多様な独楽が製造され続けています。全て木製のものと、軸や外周部に金属部品をはめ込んだものの2種類に大別されます。

プラスチック製独楽: インジェクションモールディングの発達とともに、大量生産による安価なものが主に玩具として普及しました。回し方はほとんどが小型軽量なため、手指で回すものがほとんどです。

金属製独楽: ブリキ製のカラフルに印刷塗装された独楽が一時期普及しました。ブリキ製独楽はほとんどが手指で回します。鋳物製独楽は明治中期からベーゴマという形で普及しました。ベーゴマは結び目を作った紐を巻き付けて引き戻すことによって回します。

プラスチックと金属部品を組み合わせた組み立て式の独楽: 2000年ごろから軽量なプラスチック部品と硬く重い金属を組み合わせた組み立て式の独楽が玩具として普及しました。交換用パーツが豊富にあり、カスタマイズできるのが特徴です。回し方は器具を使って回します。

対戦用切削加工金属独楽: 金属を切削加工して製作した回転バランスに優れる精密なひねり独楽が近年になって出現しました。多種の金属材料を使って様々な種類・形態の独楽が生み出されました。

世界の対戦用独楽(こま) 出現から現代の対戦用独楽まで

独楽が一般庶民の間で普及するにつれ独楽遊びにも競技性が生まれ、対戦する競技として楽しむことが多くなりました。このため相手方独楽を弾き飛ばしたりして回転を低下させる能力を備えたより長く回る独楽が様々な材料の特性を活かして製作されました。様々な対戦用独楽が発達しました。

現代の対戦用独楽1: 全木製、全プラスチック製、軸や外周部に金属を用いた木製やプラスチック製など、多くの種類が多くの国々に伝統的に存在し続けています。比較的大型で重量が重いので、紐掛けで回します。

現代の対戦用独楽2: 金属を切削加工して製作した精密なひねり独楽が近年になって出現しました。2015年全日本製造業世界コマ大戦2015が開催され、7か国(ボリビア、ベトナム、インドネシア、韓国、タイ、アメリカ、日本)から金属加工業者が様々な形状構造の金属製独楽を独自開発し多数参戦しました。

日本の対戦用独楽(こま)・ベーゴマ 出現から現代の対戦用独楽・ベーゴマまで

日本においても独楽遊びに勝敗を競う競技性が次第に生まれ、様々な形の対戦用独楽が普及していきました。佐世保独楽のように相手の独楽を壊したりダメージをあたえたりする本格的な喧嘩ゴマも発達しました。大型の対戦競技用独楽は屋外の広い場所で回す必要があり、高等技術も必要であったため次第に衰退しました。場所をとらない、室内でも回せる、安価である、迫力ある対戦が容易におこなえるといった理由から鋳物製のベーゴマが広く普及しました。ベーゴマを進化発展させ精密に製作された組み立て式のベーゴマも近年普及しています。

ベーゴマの始まり: 明治中期ころ巻貝から鋳物製に置き換わって発達しました。昭和に入ると鋳物産業の発展による鋳造技術の発達とともに、逆円錐形のシンプルなものから6角形・8角形状で上面に模様の付いたものまで様々な形に進化し爆発的に普及しました。結び目を作った紐を巻いてから強く引き戻して回しますが、紐の巻き方回し方は独特なものが生み出されました。

アルミダイキャスト製ベーゴマ: 金型を用いて製造するアルミダイキャスト(金型鋳造技術)法によるアルミ合金製のベーゴマが出現しました。金型による製造なので寸法精度が良く回転バランスはまずまずで良く回ります。鋳物製のベーゴマにくらべると軽量のため戦闘力は劣ります。ベーゴマと同じように紐がけして回します。

金属の切削加工による精密金属ゴマ: NC工作機械を駆使して金属から切削加工して製造した、手指で回す小型のひねり独楽が普及しています。2012年第1回全日本製造業コマ大戦、2013年第2回全日本製造業コマ対戦が開催され精密ゴマが徐々に広まりました。

金属の切削加工によるベーゴマ: 2017年に入ると精密な金属製部品から構成される組み立て式でカスタマイズやチューニングできる対戦競技用のものが出現しました。

関連記事

PAGE TOP